【中国留学記その2】フランス人ケンの5ヵ国語事件。日本人の謙虚さを再認識!
かれこれ20年くらい前の話です。
大学卒業後に中国の上海で語学留学してたのですが、その時にフランス人ケンも留学生として外国人寮で生活してました。
フランス人と聞くと背の高い白人をイメージしますが、彼はベトナム系フランス人。これは歴史が関係してます。ベトナム人にしか見えない彼は、背も低くて非常にシャイな性格。人柄も良くみんなにケン、ケン!と言われて仲良くしてました。
そんなケンは、当然ですがフランス語がペラペラ。同じくフランスからの留学生で白人の女の子もいたのですが、二人がフランス語で会話してるのを聞くと、「フランス語うまいなぁ~」と感心してました。見た目がベトナム人なので・・・
彼の中国語はどうかというと、お世辞にも上手とは言えないレベル。中国語には四声(よんせい)という高低アクセントがあるのですが、それが苦手なので相手に上手く伝わらないという状態。中国語には悪戦苦闘してたように思います。
そんな彼と僕を含む日本人数人で話をしてた時に、ケンが5ヶ国語が話せると言います。
そ、そうなん!? と日本人ビックリ。
どれどれ喋れるん?と聞くと・・・
「フランス語」
(そりゃそうだ・・・)
「英語」
(世界共通語だしね・・・)
「ベトナム語」
(ケンのルーツの言葉やからね・・・)
「中国語」
(ん?? そんなに喋られへんやん・・・)
ここまでで中国語は怪しいもののとりあえず4ヶ国語。
あと1ヶ国語あります。
その1ヶ国語が僕らの度肝を抜きました!!
「日本語」
・・・・・・
いやいやいやいやーーーーーっ!!!
単語しか知らんやんっ!!!
意外すぎる言語に日本人全員一瞬言葉を失ったあと激しく動揺して突っ込みを入れます。普段シャイなケンが大阪人のように最後の「日本語」でドカーンと笑いを取ろうとしたわけではありません。当の本人は大真面目。
単語しか知らんやんっ!は言い過ぎですが、僕らがときどき日本語を教えて「DOKODE TABEMASUKA?」くらいのレベル。
そのレベルで話せる言語の1つとしてカウントするという・・・
話せるというレベルが単に意思疎通だけで良しとするなら彼の日本語も確かにカウントしてもよさそうです。そういう意味では中学、高校と英語を勉強してきた日本人は堂々と「英語話せます!」と言ってもよさそうに思えます。
街で Can you speak English? と話しかけてきたアメリカ人に対して No! I can’t speak English!と完璧な英語で返事をするということがありますよね。
アメリカ人からすると「いやいや、あなた喋ってるじゃないですか・・・」ということになります。
日本人は [ ペラペラ = 話せます ] という方程式を持ってると思いますが、これが恐らく間違いなんでしょうね。
例えば外国人が「私は・・昨日・・・友達と、京都の・・清水寺に・・・行きました。」とたどたどしい日本語で話しても僕なら「日本語結構上手いですねっ!」と感心します。このくらいの英語は日本人なら誰でも話せるのではないでしょうか。
これからは中学、高校と英語を学んできた人は堂々と
2ヶ国語話せます!
英語話せます!
と答えていいと思います。
そういう意味でいうと僕は中国語を加えて3ヶ国語話せることになります。
でも、やっぱり堂々と話せるとは言えないなぁ。
日本人はやっぱり謙虚すぎますね・・・